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サラリーマン・勤める人の「心の病」が大きな社会問題となっている昨今。
うつ病をはじめとした精神障害が、労災申請の対象になるのかどうかが重要なテーマとなっています。
全国各地で裁判にまで発展しています。
仕事や就業環境が直接のきっかけで、精神障害を患ってしまった場合には、原則、労災として認められます。
ただ、うつ病に代表される精神障害は、その症状がどの程度深刻なのか、本当に障害といえる病状なのか、私生活、特に仕事に大きな影響を与えているのか、客観的に、また個別具体的に判断するのが難しい面もあります。
発症した精神障害が本当に仕事が原因によるものなのか、その因果関係の判断もまた同様に難しいのです。
この点が、通常の怪我や病気と精神障害の大きく異なる点です。
労災の場合、会社側でもまず自分たちの責任を認めようとしません(労災が認定されると、保険料が上がる、会社側の負担が増えるからです)。
認定を受けるためには、いくつかの条件と高いハードルをクリアする必要があります。
まず、最低限の条件として、医師から、労災保険の対象となる精神障害が発症していると診断されること。
自分で精神面に問題を抱えている、うつ病になってしまった!とアピールするだけでは十分でないのです。
ただ、医師からの診断書については、実際に病状が出ているのであれば、出やすいと思います。
最大のハードルは、仕事と精神障害との因果関係の立証です。
精神障害の場合、直接的なきっかけ・原因を特定するのが難しいので、就業環境と精神障害との因果関係をできるだけ詳しく証明すること必要になってくるのです。
長期間に渡る職場のストレス、明らかに無謀なノルマ設定があったこと、上司や同僚からの嫌がらせ・パワハラなどが慢性的に続いていたことなど、第三者に証明できる「証拠」がなければなりません。
ただ、これらには、はっきりとした基準がないのが難しいところです。
これまで労災として認められた例では、1ヶ月に100時間を越える時間外労働を課せられていたケースなどがあるようです。
なお、労災申請が認められるかどうかは労働基準監督署の判断によります。
申請後、調査官によるヒアリングが行われます。書類や証拠の準備だけでなく、自分の言葉で当時の状況を説明できるように準備しておきましょう。
精神的に追い詰められている方にとっては大きなプレッシャーとなりますが、本来得られるべき権利を主張するためには必要なのです。
何とかクリアしたいものです。
無事に認定が降りれば、平均給与の80パーセントを休業補償給付して受け取ることができたり、休業期間中は解雇されない、治療費の自己負担がなくなるといった恩恵を受けることができます。
最初から労災認定を諦めるのではなく、可能性があるのであれば、積極的に活用していきたいものですね。
労災からの給付は労働者の正当な権利です。
臆することはありません。積極的に活用していきましょう。
なお、障害年金と労災給付金との関係についてですが、障害年金受給者が同一疾病で労災給付も受ける場合は、障害年金が優先され、労災給付は減額して支給されることになります。
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