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糖尿病は代謝疾患による障害として主に限定されています。
症状により治療内容や状態の経過、血糖コントロールの状況などを含め、合併症の有無や日常の生活状況など総合的な判断により認定されます。
糖尿病は、初期には症状が見られず、さらには合併症が進行していても気付かないこともある怖い病気です。
遺伝などを含む様々な要因が重なり、運動不足や食べ過ぎなどで血糖が上がり、発症の原因となります。膵臓から作られている血糖を下げるホルモンをインスリンと言い、そのインスリンが少なくなり慢性的に血糖が高くなった状態のことです。
作用不足になると、インスリンの分泌量が不足し働きが悪くなるため、細胞の中に栄養分が取り込まれなくなり血液の中にブドウ糖などの量が増え、高血糖状態になります。また長期間その状態が続くと合併症が起きる場合があり、網膜症や腎症、網膜症などが併発します。
糖尿病の場合、すべての治療には食事療法が基本となりますが、薬物療法や運動療法が必要とされ、できるだけ血糖を正常に近い状態に保ちながら健康な人と同様の日常生活を送れるよう、また合併症を防ぐことが治療の目的にあります。
食事療法には、病気を改善していくために栄養バランスを十分に考えることが大変重要であり、また暴飲暴食、糖分や栄養の過剰摂取を控えるため、カロリー制限(1日の摂取カロリーを1,600Kal以内)をするよう一般的には医師から指導されます。
しかし、食生活の改善には、長年の習慣を断ち切る強い意志と家族の協力も必要であり、食事をつくる面ではカロリー計算が必要になり困難が伴います。そのため、途中で挫折してしまうことも少なくありません。また場合によっては、体にマイナスの影響を与えることもあるので、独自の判断では行わずに病院で検査し、病状や段階を十分に把握したうえで主治医の指導のもと治療を進めることが大切です。
運動によって活性化されるインスリンは、本来の働きを取り戻し改善されていきます。
運動療法には、肥満の解消や抑制効果、また毎日続けることで筋肉の活動量が上がり、働きの悪かったインスリンの改善を高める効果へと繋がります。
急激に激しい運動をしてしまうと、ひざや足腰など痛めてしまうこともあり得ますので、身体に負担がかからない程度の運動を心がけましょう。また運動の途中で、低血糖症状が起こることも少なくありません。食事療法も併用しておこなうことが大切ですので、無理をしないためにも、しっかりと医師の指示に従い、体力や年齢に見合った運動を心がけ取り組むことが望ましいでしょう。
食事や運動によっても良好に血糖コントロールができない場合には、血糖をできるだけ正常な範囲に維持するため薬物療法が用いられます。
障害年金では、上記のような食事療法、運動療法、薬物療法等の治療により血糖がコントロールされている場合は、認定の対象にはなりません。
インスリン治療を行ってもなお血糖のコントロールができなくなった場合に、3級認定の可能性がでてきます。
また、糖尿病そのものの認定もありますが、多くは合併症に対する認定です。
合併症には、糖尿病性網膜症「目の障害」、糖尿病性腎症「腎疾患による障害」、糖尿病性神経障害「神経系統の障害」、糖尿病性動脈閉塞症「肢体の障害」などがあります。
この合併症の認定基準については、それぞれの障害の認定要領によって異なります。
糖尿病は、ゆっくり進行していく病気です。
それゆえ、申請にとても重要である「初診日」が古く証明が難しくなる場合もあります。
そういった場合は、申請を諦めるのではなく、専門家に相談することをお勧めします。
専門家によっては、独自のノウハウによりカルテが残っていないケースでも初診日を証明できる場合があります。糖尿病は長く治療が必要であり、経済的な負担も大きくなります。
少しでも本人そして家族の負担が軽減できるように、受給の可能性があれば、申請を試みてはいかがでしょうか。
なお、先述のように、糖尿病は生活習慣病の一つであり、進行すると厳しい食事制限や薬の服用、継続的は運動の習慣を普段の生活の中に取り入れなければなりません。
一般の健康診断などで「糖尿病予備群」とされた時点で食生活の改善や糖尿病になりにくい身体をつくる見直しを始め、病気に対する予防を図ることがとても大切です。
認定基準・認定要領については、以下をご参照ください。
→参考:国民年金・厚生年金保険障害年金基準(第15節 代謝疾患による障害)
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